Occupy Wall Streetの集会でJ.Stiglitzが次のように語ったとコロンビア大学のブログにあった。
“Our financial markets have an important role to play. They’re supposed to allocate capital and manage risk, but they’ve misallocated capital and created risk. We are bearing the cost of their misdeeds. There’s a system where we’ve socialized losses and privatized gains. That’s not capitalism! That’s not a market economy. That’s a distorted economy, and if we continue with that, we won’t succeed in growing, and we won’t succeed in creating a just society.”
(http://bwog.com/2011/10/03/stiglitz-speaks-at-occupy-wall-street/)
Distorted economyと規定しているわけだが、そもそも論の問いとして
- Capitalism とは?
- a market economy とは?
- a just economy とは?
が連なっている。
現代の金融化した経済の技術的基礎はITである。このことは改めて言うことでもない。こんなことを考えている時に、ふと、頭に浮かんだのが「二進法」と「十進法」。
私たちが日々暮らしているのは、十進法の世界。もともと十は、左右十本の指に由来すると言われる。日常のさまざまを処理するためにプログラムが組まれ、一つの大きなコンピュータ・システムが作られる。銀行の決済、交通機関のチケット、書籍の購入、旅行の手配などなど。
システムを構築するのは、もちろん「人の手」。十本の指を操って、キーボードを操作し、日常(十進法の世界)をコンピュータ(二進法の世界)に転換しているわけである。
〈0と1〉の羅列は無味乾燥であっても、それらが構築するシステムは人間らしく、温かなものであって欲しい。
金融化の進展は、十進法の世界に存在する〈すきま〉を利用して、財をなす機会を増幅させただけなのではないか。怪しげなデリバティブを開発するという仕事は、まさしくそんな範疇に入るのではないだろうか。金融の世界を、まともな経済(a just economy)に引き戻さなければならない。
スティグリッツの発言から、こんなことを考えた。