「シュウカツ」と〈シュウカツ〉

社会人としての人生を始めるには、生きていく場を見いださねばならない。就職活動=「就活:シュウカツ」。四月を迎えて、シュウカツも一つの山場を迎えたとも言われている。内々定も出始めているようだ。

もう一つの〈シュウカツ〉。人生を終わるときのための活動をあらわす「終活:シュウカツ」という言葉。テレビ番組のタイトルに出てきたのを見て、初めて知った。

気になって調べてみた。2009年に『週刊朝日』が連載記事のタイトルとして「現代終活事情」を用いたのが最初と言うことだった。

老いも若きも「シュウカツ」に終われる現代日本。これってどうなのかな、と考え込んでしまう。

 

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ライフログ

テレビ番組で紹介されていたのが、ライフログ。

迂闊にも知らなかった。日常生活(Life)を定期的に記録(Log)するという意味なのだが、これだけみると、日記と変わらない。ライフログは日記に似て、非なるものという印象。

コンピュータ関連技術が進歩して大量のデータを処理できるようになった。

若いカップルのデート風景。お店に入る前に看板の写真、テーブルに座るとコースターの写真、メニューの写真、注文してサービスされた料理も写真、・・・、というようにありとあらゆる場面を記録する。

二人で食事をしながら会話を楽しむというのではなく、ひたすら記録する。

記録するためにどこかに行くというようにも見えてしまう。「転倒しているな」という印象をもってしまった。

40歳代の男性。人生すべてのデータを記録し、いつでも見られるようにしている様子。過去の出来事も瞬時のうちに検索して、表示できるようになっている(ようにみえた)。

経験した様々を見たい時に、瞬時に見られるようになると「なつかしい」という感覚がなくなるらしい。

時間感覚がなくなってしまうのだろうか。流れるというように形容される〈時間〉が失われている。

ライフログと言ってもデジタルばかりでなく、昔風にノートに手書きして、記録を残している人もいる。こちらは依然として日記に近い。

 

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単身赴任とイライラ

新年度から新しい職場に異動になった人も多いだろう。最初のうちは不慣れな仕事に戸惑う。当然、ストレスも大きくなろう。40〜50代であれば、子どもの教育、住宅問題などのためにやむを得ず単身赴任ということもある。家族と離れることによって、ストレスはさらに増す。この年代の男性事務職を対象にした調査が結果が報じられていた(『朝日(4月7日付)』)。。

「単身赴任の喫煙者は、家族と同居している喫煙者に比べてイライラ感や不安感などが強い」。

ストレスと単身赴任との関係を喫煙者と非喫煙者で比較している。非喫煙者の場合は単身赴任者と家族同所者との間で差が出ていない。単身赴任を契機に禁煙して、非喫煙者になればストレスが減るというわけでもないだろう。でも、家族と同居している時以上に健康に留意しなければならない立場になったのだから、禁煙した方が良いのは言うまでもない。

因みに単身赴任にあたる英語はないと言われている。そもそも仕事を理由に家族と離れて暮らすという発想がないのだろう。business bachelorという訳語も挙げられているが、果たして意味が伝わるのだろうか。bachelor of business administration (経営学士)と間違えられるのが落ちかも知れない。

 

 

 

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時間的視野

国立社会保障・人口問題研究所が、2060年までの将来推計人口を公表した(『朝日(1/30

付)』)。50年後には人口が三割減少する。2060年には、10人のうち4人が高齢者(65歳以上)になる。50年後の65歳は、現在15歳。中学三年生、あるいは高校一年生。彼/女らが、65歳になった時の自分を想像して、推計結果を実感するのは難しいだろう。分かりやすいのは、生涯未婚率かもしれない。今年52歳の人と17歳になる人を比べると9.4%から20.15に上昇するという。五人に一人は生涯独身。

人口の動向を知ることは、経済運営の基本。一人一人にとっては暮らしがどのようになっていくかを想像するための基本。

人は、何年先までを見通しながら、意思決定できるのだろうか。人々の時間的視野はどれくらいなのだろうか。せいぜい三年〜五年が限度かも知れない。

 

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人工物は消えた

ほぼ二ヶ月ぶりの更新。不定期に、気の向くままに、「ちょっと一息」というペースで書き続けるつもりだったのだが、しばらく頓挫してしまった。年も改まったので、気分を一新して、取り組もうと考えている次第。”New Year’s Resolution”というほどのことでもなく、あくまでも「ちょっと一息」という軽い感じを維持しつつやっていこう、というだけです。

しばらく前に、瓢湖に奇妙な人工物がある、と書いた。新潟の友人が写真を送ってくれた。「人工物は消えた!」のです。一時的な撤去でないことを願っています。

自然は、そのままで愉しむのが一番です。

 

 

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カネは何でも買える!?

かつてプロ野球の多くは鉄道会社が運営していた。

西鉄、阪急、阪神、国鉄など、懐かしい名前。いつのまにか、IT・通信企業が参入するようになった。そして、横浜球団の身売り問題。IT企業のDeNAへの譲渡が決まりそうなのだが、横浜ファンの漫画家やくみつるさんのコメントが目にとまった(『朝日』11月5日付)。

『DeNAは一刻も早く球団を手放して欲しい。携帯配信ゲームは必要ない。そのようなもので得た巨額の利益で球団など買わないでもらいたい。ファンは気持ちの上では続けるが、しばらくは休眠状態ですね。』

いわゆる本業の経営が順調に進んでいなければ、球団経営には乗り出せないだろう。広告媒体としての利用価値が大きいと判断するから買収するのだろうが、ファン心理は「買えない」。

お金で買えるものと買えないものがある。そんなことを、やくみのるさんのコメントが示している。

R.ドーア氏の近著『金融が乗っ取る世界経済』の帯に付された一文は「金融がすべてを奪う」。

果たして、すべてを奪えるのだろうか。

 

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A distorted economy

Occupy Wall Streetの集会でJ.Stiglitzが次のように語ったとコロンビア大学のブログにあった。

“Our financial markets have an important role to play. They’re supposed to allocate capital and manage risk, but they’ve misallocated capital and created risk. We are bearing the cost of their misdeeds. There’s a system where we’ve socialized losses and privatized gains. That’s not capitalism! That’s not a market economy. That’s a distorted economy, and if we continue with that, we won’t succeed in growing, and we won’t succeed in creating a just society.”

(http://bwog.com/2011/10/03/stiglitz-speaks-at-occupy-wall-street/)

Distorted economyと規定しているわけだが、そもそも論の問いとして

  • Capitalism とは?
  • a market economy とは?
  • a just economy とは?

が連なっている。

現代の金融化した経済の技術的基礎はITである。このことは改めて言うことでもない。こんなことを考えている時に、ふと、頭に浮かんだのが「二進法」と「十進法」。

私たちが日々暮らしているのは、十進法の世界。もともと十は、左右十本の指に由来すると言われる。日常のさまざまを処理するためにプログラムが組まれ、一つの大きなコンピュータ・システムが作られる。銀行の決済、交通機関のチケット、書籍の購入、旅行の手配などなど。

システムを構築するのは、もちろん「人の手」。十本の指を操って、キーボードを操作し、日常(十進法の世界)をコンピュータ(二進法の世界)に転換しているわけである。

〈0と1〉の羅列は無味乾燥であっても、それらが構築するシステムは人間らしく、温かなものであって欲しい。

金融化の進展は、十進法の世界に存在する〈すきま〉を利用して、財をなす機会を増幅させただけなのではないか。怪しげなデリバティブを開発するという仕事は、まさしくそんな範疇に入るのではないだろうか。金融の世界を、まともな経済(a just economy)に引き戻さなければならない。

スティグリッツの発言から、こんなことを考えた。

 

 

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世界人口70億人

国連人口基金(UNFPA)は世界人口白書を発表した。10月末日で世界人口は70億人になる。1950年代初期に48歳だった平均寿命は、20歳伸びて、68歳になった。人口が増加していく要因の一つは乳児死亡率の低下である。

1987年に50億人、1999年に60億人、そして2011年に70億人と世界人口は増加してきた。12年ごとで10億人ずつ増加して計算になる。

70億人の世界×70億人のアクション」キャンペーンが展開されている。

基金が提起している7つの課題。

  • 「貧困と不平等」
  • 「女性と少女」
  • 「若者」
  • 「リプロダクティブ・ヘルス/ライツ」
  • 「環境」
  • 「高齢化」
  • 「都市化」

2010年10月1日現在の「日本人人口」は1億2535万8854人。前回調査に比べて37万1294人減少した。70億人の世界の中で、〈本格的人口減少社会〉になった日本。上記の7つの課題へのかかわり方を考えねばならない。

 

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年収200万円

連合の調査「ワーキングプア層の生活・意識調査」(2011年7月)を読んでみる。この調査は『日経新聞(9月9日付)』でも紹介されていた。

個人収入が200万円以下で、家計の1割以上を負担している20歳〜59歳の男女が調査対象。男性500名、女性500名の合計1000名の有効サンプルを集計している。

さまざまな項目があるが、「現在の生活についての実態や実感_生活に関する項目」に示されている結果を引用してみよう。

  • 「世の中はやはりお金だ」と感じている (80.1)
  • 「収入アップは無理だ」と感じている (78.8)
  • 「貯蓄は無理だ」と感じている (67.3)
  • 自分の将来に希望が持てない (63.5)
  • 「世の中はお金じゃない」と感じている (25.7)
  • 「消費者金融への返済が苦しい」と感じている (18.8)
  • 生活が苦しくて、ホームレスになる可能性がある (11.1)

括弧内の数字は「非常にあてはまる」と「ある程度あてはまる」の合計である。例えば、「将来に希望が持てない」と実感している人が、63.5%いることになる。ホームレスになる可能性はないと感じていても、現在・将来への明るい見通しはもてていない。

2011年度の最低賃金改定結果が発表されているが、全国平均で737円、前年に比べて7円上がったに過ぎない。賃金は人々の暮らしを支えるという側面と、雇用主にとってのコストという側面がある。最低賃金引き上げに消極的な立場もあるが、いまの日本に必要なのは、まずは賃金引き上げであるように思う。

 

 

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奇妙な人工物

ハクチョウの飛来地として有名な瓢湖を訪れる機会があった。2005年に国指定瓢湖鳥獣保護区に指定され、さらに2008年にはラムサール条約の登録湿地にもなっている。

言うまでもなく、とても美しい。瓢湖をゆったり眺めていると、気持ちがなごむ。

ところが、奇妙な人工物がおかれていた。

「なぜ?」と誰もが感じるでしょうね。

世間にその存在が知られ、観光の対象になった途端に、土産物屋ができ、音楽が大音量が流されるのが常である。

手を加えずに「そのままの静かな場所」にしておくことはできないものなのだろうか。

 

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